恐山の宿坊「吉祥閣」は、どんな宿なの?
初めての宿坊でも快適に過ごせる?
精進料理はどんな内容で、満足できる?
南直哉院代の法話や朝のお勤めでは、どんな体験ができるの?

私も初めての宿坊に、期待と少しの緊張を抱いて訪れました。

この記事では、令和8年8月に一人で宿泊した体験をもとに、予約方法やアクセス、客室、夕食と朝食の精進料理、南直哉院代の法話、朝のお勤めまで紹介します。

実際に泊まって驚いたことや心に残ったことも交えながら、初めて宿坊に泊まる方が、宿泊前の疑問を解消し、自分に合った旅の計画を立てられるようにまとめました。

恐山の宿坊「吉祥閣」の宿泊情報

【宿坊吉祥閣(きっしょうかく)の場所】

恐山駐車場
↓
入山券を買う 900円 2026年8月
↓
山門の手前を右に曲がります
↓
左側 宿坊吉祥閣 着

宿坊名恐山宿坊「吉祥閣」(きっしょうかく)
住所〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山3-2
開山後:予約方法/電話または文章
開山前の仮予約:は書面・FAXのみ
0175-22-3826
開山前:電話では受け付けない
一名一泊二食 大人料金 2026年8月17000円+入山料900円 当日現金のみ
       小学生・幼児料金小学生半額・幼児無料
公式HP       https://reijyo-osorezan.jp/sanro/
チェックイン(季節により変動有)・アウトイン16時まで・アウト10時
夕食時間・料理 18時・精進料理
消灯22時
朝のお勤め(原則全員参加)6時半
朝食・料理朝のお勤め後・精進料理
食事料理精進料理
食事場所食堂
室内アメニティ浴衣・バスタオル、タオル、歯ブラシ、お茶セット
・ポット
キャンセル料公式HPに記載を確認できず。予約時に要確認
日により院代法話
Wi-Fiロビーのみ
希望者写経
部屋設備トイレ・洗面台・冷房・和室二部屋
浴室大浴場・恐山温泉

アクセス・周辺情報

JR大湊線「下北駅」 バス🚌約45分
車🚙約30分 

恐山の宿坊「吉祥閣」を選んだ理由

📸恐山菩提寺 山門

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」を巡る青森旅行を計画していたとき、Googleマップで思いがけない発見がありました。

なんと、今回訪れる青森県には、日本三大霊場の一つ「恐山」があるではありませんか!

神社仏閣巡りが大好きな私にとって、これは見逃せません。

さっそく恐山について調べてみると、さらに驚くことが!

なんと、宿坊「吉祥閣」に泊まれるというのです。

以前から一度は宿坊に泊まってみたいと思っていた私。

しかも、その初めての宿坊体験が日本三大霊場の恐山でできるなんて!

これはもう、泊まるしかありません。

こうして恐山は、世界遺産の白神山地と並ぶ、今回の青森旅行の大きな目的地になりました。

土曜日でも宿泊料金が変わらないこともわかり、まず吉祥閣の予約を取り、その日を中心に旅の予定を組みました。

恐山の宿坊「吉祥閣」|宿坊体験

📸大浴場

恐山の宿坊「吉祥閣」には、令和8年(2026年)8月に一人で宿泊しました。

一泊二食の宿泊です。

宿坊に泊まるのは初めてだったので、客室や食事、館内での過ごし方など、わからないこともありました。

実際に宿泊してみると、想像していた宿坊とは良い意味で違い、驚くことがたくさんありました。

館内は撮影禁止でしたので、当ブログでは、館内の写真は載せておりません。

客室は和室二部屋

案内された客室には、畳敷きの和室が二部屋ありました。

宿坊というと、簡素な部屋を想像していましたが、実際には広さも十分にあり、冷房も備わっていました。

客室にはトイレと洗面台もあり、浴衣やタオル、歯ブラシ、お茶のセット、ポットなども用意されていました。

館内も想像していた以上に広く、設備が整っていたことが印象に残っています。

なお、Wi-Fiが利用できるのはロビーのみでした。私は普段から持ち歩いているWi-Fiを利用しました。

18時 夕食は品数豊富な精進料理

食事五観の解説
一つには功の多少と計り彼の来処を量る。
*このお米は八十八回と云われる程大変な苦労を重ねて出来たものでありこの食膳に上るまでに沢山の人の手を経て今始めて戴けた事に先づ感謝する
二つには己れが徳行の全缺を忖って供に応ず。
*私は今この食事を戴ける程日夜精進努力しているかどうか反省する
三つには心を防ぎ過を離ることは貪等を宗とす。
*お腹がへると怒りっぽくなったりしてとかく過ちを犯しがちなもの、そうかと云っておいしいから沢山食べ嫌いなものだからと云って少しでやめたりはしない
四つには正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為めなり。
*食事する事は薬を戴くのと同様でやせ細ったり命が絶えたりしない為に戴くのである
五つには成道の為めの故に今此の食を受く。
*自分自身の本分を完うし、よりよき人間として素晴らしく生き続ける為に今この食事を戴きます

夕食は18時から、宿泊者が食堂に集まっていただきました。


食事の前には、全員で「食事五観」を唱えます。


夕食は野菜を中心とした精進料理で、魚や肉は使われていません。


天ぷらがあることで食べ応えがあり、筑前煮もたっぷり。特に大きな南瓜は、お腹を満たしてくれました。

果物も豊富で、ご飯はおかわり自由です。

宿坊の食事は質素なものを想像していましたが、品数が多く、十分に満足できる夕食でした。

普段の旅行でいただく旅館の夕食とは異なり、食事の前に唱える言葉も含めて、宿坊ならではの体験となりました。

夕食精進料理 献立 
「メロン・スイカ・オレンジ」「筑前煮(がんも・南瓜・椎茸・筍・れんこん・人参・白滝)」
「天ぷら(舞茸・ピーマン・ナス・南瓜)薬味(大根おろし・生姜すりおろし)」「天ぷらのつゆ」
「山菜ソーメン」「黒豆」「玉子豆腐」「なます・胡瓜」「漬物(胡瓜・白菜・人参・生姜)」
「白米」「なめこ味噌汁」

南直哉院代法話

📸法話が行われた「薬師堂までの廊下」 宿坊外です。

夕食の後には、南直哉院代の法話を聞く機会がありました。

法話というと、静かに難しいお話を伺うものだと思っていました。

ところが、南直哉院代は扇子を手に、まるで落語のような語り口。思わず笑ってしまう場面が何度もありました。

恐山という場所柄、「見たことはあるのか」と聞かれることもあるそうです。

それに対して、南直哉院代は「自分は見たことがありません」と繰り返しおっしゃっていました。

何が出るのか、あえて言葉にしないのに、聞いている私たちには伝わってくる。

その絶妙な語り口が、また面白かったのです。

また、コロナ禍には、それまで出演していなかったメディアにも積極的に出演されたそうです。

その影響もあって、世界中から恐山を訪れる方が増え、ヨーロッパからのツアー客も毎年のように訪れるとのこと。

外国の方から突然「ミナミサン」と声をかけられ、なぜ名前を知っているのか尋ねると、「ユーチューブで見ました」と答えられたというお話もありました。

そして、夜の恐山についてのお話も印象的でした。

夜は街灯がなく、月明かりだけになります。足元にはごつごつとした火山岩があり、転ぶと大変危険なので、夜は歩かないようにとのこと。

最後には「間違われます(笑)」という一言まで。

恐山の厳かな雰囲気とはまた違う、ユーモアあふれる法話に、すっかり引き込まれてしまいました。

法話が終わり、南直哉院代が長い廊下を足早に歩いていらっしゃるところで、思い切って声をかけてみました。

「南さん、失礼ですが、お伺いしても良いですか?」

「はい、良いですよ」

「南さんは、噺家(はなしか)さんに間違われませんか?」

すると、思いがけないお返事が。

「いろいろ言われます。先日は、お寿司屋さんで板前さんの前で、板前さんに間違われました」

思わず笑ってしまいました。

初めてお会いした私の質問にも気さくに答えてくださった南直哉院代。

そして、そんな方に思わず話しかけてしまう私です。(笑)

なお、南直哉院代の法話は日によって行われるため、宿泊日にお話を伺えるかどうかは、その日のお楽しみです。

💚南直哉院代のお人柄や語り口が伝わる対談動画をご紹介します。

宿坊の大浴場

恐山には温泉がありますが、吉祥閣の館内にも宿泊者が利用できる浴室がありました。

私は夜に一人で屋外の温泉へ行くよりも、宿坊の大浴場を利用することにしました。

浴室は凄く広く、ゆっくりと入浴できました。

宿坊での一日を終え、翌朝のお勤めに備えて過ごしました。

消灯時間は22時です。

6:30 本堂での朝のお勤め

翌朝は6時30分から本堂でのお勤めに参加しました。

吉祥閣では、朝のお勤めは原則として宿泊者全員が参加することになっています。

普段のホテルや旅館では経験できない朝の時間を過ごせることも、宿坊に泊まる魅力の一つだと感じました。

宿泊を予定されている方は、朝のお勤めの時間も考えて、前夜の過ごし方や朝の準備をしておくとよいと思います。

朝食 精進料理|塗り箸は旅の記念

朝のお勤めを終えると、食堂で朝食をいただきました。

朝食も精進料理です。

食事に使った塗り箸には名前が入っており、夕食後に自分で洗い、翌朝の朝食でも使用しました。

そして、宿泊の記念として持ち帰ることができました。

旅先で購入したお土産とは違い、実際に食事で使ったお箸が手元に残るのは、宿坊ならではの思い出になりました。

朝食精進料理 献立
「野沢菜と人参の漬物」「切り干し大根・人参の煮つけ」「トマト・ゴールドキウイ」「乳酸飲料」
「ひじき」「漬物(胡瓜・大根・奈良漬)」「長芋千切り生姜付」「味噌汁(わかめ・豆腐)」

「ご飯」「海苔」

恐山の宿坊「吉祥閣」|泊まって感じたこと

📸恐山温泉 古滝の湯(男女日替り)と白っぽい岩肌が広がる風景

恐山と聞くと、どこか薄暗く、少し怖い場所を想像してしまいます。

ところが、実際に訪れてみると、目の前に広がっていたのは明るい空と、白っぽい火山岩が続く独特の風景。

想像していた恐山とは、ずいぶん違っていました。

そして、初めての宿坊体験。

日本三大霊場の一つ、恐山。

その境内に宿泊し、夕食から翌朝のお勤めまで過ごせたことは、今回の旅で特に印象に残る体験となりました。

世界遺産の縄文遺跡を調べていたことから始まった今回の旅。

思いがけず出会った恐山の宿坊「吉祥閣」は、泊まってみて本当に良かったと思える場所でした。

広く綺麗な客室、品数豊富な精進料理、思わず笑ってしまう南直哉院代の法話、翌朝のお勤め。

どれも普段のホテルや旅館ではなかなか経験できないことばかりでした。

💚日本三大霊場恐山については「恐山の歴史をたどる!所要時間は約1時間|見どころを巡る参拝順路」で詳しく書きました。

💛恐山で見つけたお土産についても、別の記事でご紹介する予定です。公開しましたら、こちらからご案内いたします。

💚南直哉院代は、数多くの著書も出版されています。

2025年11月には『死を考える』が刊行されました。

法話をきっかけに、南直哉院代の考え方に興味を持たれた方は、著書にも触れてみてはいかがでしょうか。

「死」を考える (河出新書 河出新書) [ 南 直哉 ]
価格:968円(税込、送料無料) (2026/10/14時点)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

旅をするほど、また行きたい場所と愛も増える。🥰