この記事では、私が老舗店を好きになったきっかけや、旅先での見つけ方、楽しみ方をご紹介します。
創業年を見る。包装紙や箱を見る。屋号の紋に目を留める。
旅を重ねるうちに、以前なら通り過ぎていたものにも心が動くようになりました。
記事の中では、私が実際に使っている老舗店リストの項目もご紹介しています。
次の旅の「未来の楽しみリスト」を作る時の参考になれば嬉しいです。
老舗店に惹かれたきっかけは「創業100年」

旅先でお土産を探していると、「創業○○年」という文字を見かけることがあります。
今でこそ見つけると嬉しくなりますが、以前の私は老舗店にそれほど興味がありませんでした。
今風のお菓子や洋菓子に目が向くことの方が多かったと思います。
そんな私の見方を変えたのが、ある空港で見かけた「創業100年以上」の文字でした。
伊丹空港で「創業100年以上」に心が躍った
私が老舗店に興味を持つきっかけになったのは、伊丹空港のお土産売り場でした。
どの商品だったのかは、もう覚えていません。
けれど、「創業100年以上」と書かれていたことだけは今も覚えています。
その数字を見た瞬間、
「これだ。私が探していたのは」
と思いました。
自分でも不思議でした。
それまで私にとって老舗店は、少し縁遠い存在だったからです。
けれど100年以上という年月を目にすると、その長い時の向こう側に、何代にもわたって受け継いできた方々がいらっしゃることを考えるようになりました。
そこからです。
「このお店は何年続いているのだろう」
「北海道にも100年以上続くお店があるのかな」
と、創業年やお店の歴史が気になるようになりました。
老舗店は特別な場所にだけあるものではなく、旅先にも、身近な町にも残っていたのです。
老舗店は昔ながらのお菓子だけではなかった

老舗店に興味を持ち始めた頃、私は勝手に「老舗らしい商品」を想像していました。
ところが、実際に出会った商品は想像と違いました。
美しいチョコレートだったり、若い世代にも手に取りやすそうなお菓子だったり。
長く続いてきたものを守りながら、新しいものも生み出している。
そこにも老舗店の面白さがありました。
ななやの屋号紋が気になった

東京から帰省した娘がお土産に買ってきてくれたのが、ななやの抹茶チョコレートでした。
箱を開けると、まるで何色ものクレヨンを並べたように、抹茶チョコレートが美しいグラデーションで並んでいます。
とても今風です。
ところが私は、箱に書かれた「ななや」の屋号と紋が気になりました。
英字を使った洗練されたデザインの中で、そこだけが静かに存在感を放っているように見えたのです。
「もしかしたら、歴史のあるお店なのかもしれない」
調べてみると、ななやを運営する丸七製茶は明治40年(1907年)創業の製茶会社でした。
お茶を長く扱ってきた会社が、その抹茶をチョコレートやジェラートという新しい形でも楽しめるようにしている。
老舗店に対する私の見方が、ここでも少し変わりました。
■ ななや
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ななや |
| 運営会社 丸七製茶(株)創業 | 明治40年(1907年) |
| 本社 | 静岡県藤枝市 |
| 店舗 | 東京青山店(娘が実際に購入) |
| 主な取扱商品 | 抹茶ジェラート・抹茶チョコレート・抹茶スイーツ |
| 公式ショップ | https://nanaya-matcha.com/?mode=cate&cbid=793411&csid=1&sort=n |
| 公式Instagram | ななや青山店【公式】 https://www.instagram.com/p/Cke0-hEPXv-/ |
【大阪ちよ子が教えてくれた老舗店の新しい魅力】

伊丹空港で購入できる老舗店を事前に調べていた時、文化二年(1805年)創業の「あみだ池大黒」を見つけました。
おこしを作り続けてきた大阪の老舗です。
現地で商品を選ぶ時、娘家族にも喜んでもらえるものを探しました。
娘はあんこが苦手ですし、子供たちはチョコレートのお菓子なら喜びそう。
そこで選んだのが「大阪ちよ子」でした。
アーモンドやレーズンを使ったチョコクランチです。
二百年以上続くおこしの会社の商品とは、最初は思えないほど今の時代に馴染むお菓子でした。
昔ながらのおこしを作り続けながら、新しい商品にも挑戦する。
あみだ池大黒の公式サイトを調べると、現在もおこしだけでなく、焼き菓子やチョコレート菓子など幅広い商品を展開しています。
守るべきものを守りながら、新しい挑戦も続ける。
200年余り続いている理由を目の当たりにしました。
老舗店に対する見方が、また少し変わりました。
■ あみだ池大黒
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | あみだ池大黒 |
| 創業年 | 文化二年(1805年) |
| 本社 | 大阪府大阪市 |
| 駅・空港売店 | JR大阪駅構内・JR新大阪駅構内・JR天王寺駅構内・関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港) |
| 公式ショップ | https://www.daikoku.ne.jp/shop/products/list |
老舗店の楽しみ方

老舗店が気になるようになってから、旅の計画を立てる時間にも新しい楽しみが増えました。
難しいことはしていません。
旅の情報を見ていて気になったら調べる。
見つけたら残しておく。
それを繰り返しています。
るるぶ・まっぷる・SNSで探す
老舗店を探す時、私は、るるぶ や まっぷる などの旅行ガイドを見ています。
観光地や名物を調べている途中で、創業年の古いお店や、長く親しまれてきたお店を見つけることがあるからです。
SNSで偶然見つけることもあります。
最初から老舗店だけを検索しているわけではありません。
神社仏閣や世界遺産、観光地を調べている途中で、
「このお店、気になる」
と思うことが多いのです。
そこから創業年や歴史を調べてみる。
その時間も、今では旅の楽しみの一つになっているのです。
未来の楽しみリスト|Googleマップに残しておく
老舗店を見つけたら、すぐに訪れる予定がなくてもGoogleマップに登録しています。
今回行けなくても、何年か後に近くを通るかもしれないからです。
私にとってGoogleマップは、単なる地図ではなく「未来の楽しみリスト」でもあります。
ただし、
「近くを通ったら寄ってみたい場所」
と、
「この旅では絶対に寄りたい場所」
は分けています。
同じ印にしてしまうと、旅の途中で地図を見た時に優先順位が分からなくなるからです。
登録した場所が増えていくと、
「次にここへ来たら、このお店にも寄れる」
と、次の旅まで楽しみになってきます。
老舗店リストを作っておく
Googleマップとは別に、老舗店の一覧も表計算ソフトで作っています。
店が増えても、都道府県や空港など、自分が必要な項目で並べ替えられるからです。
一度調べた創業年や販売場所を、次の旅でもう一度最初から調べ直す必要もありません。
私が記録している項目は次の通りです。
私が実際に使っている老舗店リストの項目
| 都道府県 | 販売場所・空港名 | 販売店住所・売店名 | 営業時間 ・定休日 | 会社名 | 創業年 | 本社県 | 代表商品① | 価格① | 代表商品② | 価格② | 代表商品③ | 価格③ | HPアドレス |
|---|
私は、無料OpenOfficeを使っています。
Excelをお持ちでない方は、無料の表計算ソフトを利用する方法もあります。
空港のお土産店・飲食店は事前に調べておく
私は帰りの空港でお土産を購入することがよくあります。
旅の途中で持ち歩かなくて済むからです。
そこで最近は、出発前に空港のお土産店や飲食店まで調べるようになりました。
どんな老舗店の商品が販売されているのか。
空港の何階にあるのか。
どの売店で買えるのか。
そこまで分かっていると、帰りの空港で探し回らずに済みます。
気になるお店があれば創業年も調べて、Googleマップや老舗店リストに追加します。
空港は旅の終点でありながら、新しい老舗店との出会いが始まる場所にもなりました。
行けなかった場所は次の旅へ残しておく
気になる老舗店を見つけても、旅の時間には限りがあります。
神社仏閣や世界遺産も巡っていると、予定していた老舗店までたどり着けないこともあります。
以前なら「行けなかった」と思っていたかもしれません。
でも今は、Googleマップに残っています。
また近くを訪れた時に行けばいい。
青森の旅を調べていて、海沿いの景色や、ねぶた・ねぷたにも興味が広がったように、一つの旅を調べると次に見たいものがまた増えていきます。
行けなかった場所も、未来の楽しみになるのです。
老舗には細部まで心遣いが詰まっている

老舗店を見るようになってから、商品そのものだけではなく、包装紙や箱にも目が向くようになりました。
屋号の紋、紙の質感、箱の型押し。
以前なら開けたら終わりだったものにまで、立ち止まるようになったのです。
包装紙や箱にもその店らしさが表れる
老舗店の包装紙や箱を眺めていると、そのお店らしさを感じることがあります。
屋号や紋が入っていたり、箱に型押しが施されていたり。
大切な商品を包むところまで丁寧に作られていることがあります。
商品をいただいた後も包装紙や箱を眺めてしまう。
そんな楽しみまで増えました。
赤福が好きすぎて包装紙を額に入れて飾っている

私は赤福が大好きです。
大阪の空港を利用した時にも、見つけるとつい買いたくなります。
そして赤福で私が好きなのは、赤福餅だけではありません。
包装紙も好きなのです。
特に内側に使われている和紙の絵柄を見た時、
「これ、飾ったら素敵」
と思いました。
そこで額に入れて、今も玄関に飾っています。
少し驚かれるかもしれません。
けれど私にとっては、お菓子を包んでいた紙というだけではありません。
そこにも赤福らしさや、長い歴史を感じたのです。
赤福は宝永四年(1707年)創業。
現在のお土産用赤福餅も、和紙で包んだ折箱で販売されています。
お菓子をいただいた後にも残るものまで好きになる。
これも私なりの老舗店の楽しみ方になりました。
■ 赤福
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 赤福 |
| 創業年 | 宝永四年(1707年) |
| 本社 | 三重県伊勢市 |
| 駅・空港売店 | JR名古屋駅構内外・近鉄名古屋駅構内・JR伊勢市駅改札外・近鉄伊勢市駅4番ホーム・JR金山駅構外・近鉄鶴橋駅構内・近鉄大阪上本町駅8番ホームと構外・近鉄大阪難波駅構内外・JR天王寺駅構内外・近鉄阿倍野橋駅構内・JR新大阪駅構内外・JR新神戸駅構外・JR三宮駅構外・近鉄大和八木駅1.3.6ホームファミマ・近鉄大和西大寺駅構内ファミマ・JR伊勢市駅内外・宇治山田駅・近鉄伊勢中川駅4番ホームファミマ・近鉄賢島駅構外・等三重県駅多数・JR京都駅構内外・近鉄京都駅構内・関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)搭乗口内外・中部国際空港第1T搭乗口内・第2T搭乗口内・神戸空港搭乗口内外 |
| 主な取扱商品 | 赤福餅・白餅黒餅・赤福ぜんざい |
| 公式ショップ | https://shop.akafuku.co.jp/ ネットショップ赤福発売10月~5月末頃 |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/akafuku.official/ |
【大切な人へ贈る文化を感じる】
包装紙や箱を眺めていると、昔のお中元やお歳暮のことを思い出します。
お世話になった方へ、失礼のないものを贈りたい。
少しでも喜んでいただけるものを選びたい。
そんな時代には、中身だけでなく、包みや箱まで含めて贈り物だったのだと思います。
ななやの箱を見た時にも、型押しされた箱や屋号の紋から、そうした心遣いを感じました。
大切な方へ届けるものだからこそ、細部まで整える。
老舗店の商品を眺めていると、商品だけではなく、人へ贈る文化にも思いが広がっていくので
老舗店と神社仏閣に惹かれる理由は似ている

老舗店を好きになった理由を考えているうちに、神社仏閣巡りが好きな理由と似ていることに気付きました。
どちらにも、長い時を経て今まで受け継がれてきたものがあります。
そして、その向こう側には守り続けてきた方々がいらっしゃいます。
誰かが守り続けて下さったもの
私が老舗店や神社仏閣に惹かれる理由は、きっと同じなのだと思います。
今こうして目の前にあることは、当たり前ではありません。
時代が変わり、人々の暮らしが変わる中でも、受け継ぎ、守り続けて下さった方々がいらっしゃったからこそ、私は今そこを訪れ、商品をいただくことができます。
その背景には、多くの方々の想いや努力があります。
旅先でその長い時に触れるたびに、私はそのことに気付かされるのです。
だからこそ、創業年や歴史の長さを見るたびに心が動かされます。
長い年月に思いを寄せる時間が好き
老舗店を訪れると、建物を眺めながら、その歴史に思いを寄せます。
そして商品をいただく時には、
「昔はどんな味だったのだろう」
と想像することがあります。
今とは少し違ったのかもしれません。
反対に、
「これは昔から受け継がれてきた味なのかな」
と感じることもあります。
もちろん、確認できないことは想像にすぎません。
でも私は、そんなふうに遠い時代へ思いを巡らせながらいただく時間が好きです。
そして毎回、
「100年以上続いているって、すごいな」
と思います。
その長い時を守り続けて下さったからこそ、今の私も各地を旅しながら、その店を訪ねることができます。
「100年以上守り続けて下さって、ありがとうございます。
こうして私もいただくことができるようになりました」
そんな気持ちになることがあります。
子供も独り立ちし、自分のために旅ができるようになった今だからこそ、訪ねられる場所があります。
老舗店のありがたみを以前よりしみじみと感じるようになったのは、私自身も年齢を重ねてきたからなのかもしれません。
100年という長い時を、自分が歩いてきた年月と重ねて見るようになったのだと思います。
一人旅だから見つけられた楽しみ

振り返ってみると、こうした楽しみ方が増えたのは、一人旅を続けてきたからなのかもしれません。
一人なら、気になった場所で足を止められます。
同じものを何度も眺めてもいい。
心が満足するまで、その場所にいてもいい。
その自由な時間の中で、以前なら気付かなかったものが少しずつ見えるようになりました。
最初は参拝と御朱印だけだった
神社仏閣巡りを始めた頃は、参拝に上がり、写真を撮り、御朱印を頂くことが楽しみでした。
それだけでも十分楽しかったのです。
でも旅を重ねるうちに、見る場所が増えていきました。
狛犬。
手水舎。
建物の彫刻。
御神木。
そして、その土地の歴史や老舗店。
最初から知識があったわけではありません。
何度も旅をする中で、自分なりの楽しみ方が増えていきました。
発見が増えるたびに旅がワクワクする
今では創業年を見て心が躍り、屋号の紋や包装紙にまで目が留まります。
以前の私なら、きっと通り過ぎていたものです。
けれど、一つ気付くと、また別のものが見える。
すると次の旅では、
「今度は何を見つけるだろう」
と思うようになります。
次はどんな素敵なことが待っているんだろう。
そう考えるだけで、次の旅が楽しみになります。
自分の心が動く瞬間を大切にしたい
一人旅を続けていて良かったと思うのは、自分の心が動く瞬間を感じやすいことです。
誰かと一緒の旅も楽しい。
でも一人なら、自分だけが気になったものでも、好きなだけ眺めることができます。
狛犬に見入る。
御神木を見上げる。
老舗店の屋号の紋が気になる。
包装紙を額に入れてしまう。
そんな小さなことから、自分が何に惹かれるのかも少しずつ分かってきました。
そして、その小さな発見の積み重ねが、旅をよりワクワクさせてくれるのです。